さとうきびとてんさい
砂糖の代表的な原料であるさとうきびとてんさいを比較してみました。
さとうきび
イネ科 サトウキビ属の多年草。
原産地はインド ガンジス川流域 ニューギニアとも。 しぼり汁は製糖、エチルアルコールの製造などに利用される。 |
てんさい
アカザ科 フダンソウ属の二年生植物。
ビート・さとうだいこんとも呼ばれる 原産地は地中海沿岸部、西アジア、北欧。 根を絞って煮詰めることで砂糖ができる。 |
生育環境
さとうきび
熱帯、亜熱帯地方で盛んに栽培されている。日本では主に沖縄県と奄美群島を中心に栽培されている。四国地方でも栽培が行われているが、これはさとうきび栽培の北限にあたる。
てんさい
さとうきびとは対照的に、寒さに強く、寒冷地用作物として中〜高緯度地域で栽培されている。日本での栽培はそのすべてが北海道で行われている。
生産量比較
世界の砂糖の65%がさとうきび、35%がてんさいによって生産されている。日本では、生産量の75%、消費量の25%がてんさい製の砂糖である。
世界生産量はさとうきびで12億9000万トン、てんさいは2億4600万トン(共に2002年)で、さとうきびに関しては小麦の5億7000万トンを大きく上回っている。これはさとうきびの利用が製糖だけでなく、エチルアルコール製造など、多岐にわたるからであると考えられる。
それぞれの糖度
さとうきび | てんさい |
10〜20% | 14〜20% |
両者の間にそこまで大きな違いはないが、さすがに含有率は高い。
まとめ
両者の間の最も大きな違いはやはり栽培地であると思う。熱帯〜亜熱帯をカバーするさとうきびと、温帯〜亜寒帯をカバーするてんさいが、うまいことすみ分けして、二大砂糖原料作物になっている感じがした。そのほかにはとりたてて大きな違いは見受けられなかったと思う。
利用用途として、さとうきびの方が何かと広い(エチルアルコールの利用、搾りかすの工業的利用など)感じはしたけど、バイオマスエネルギーとしてはてんさいの研究もなされてるみたいだし、やっぱりどちらも重要な作物には変わりないと思う。